Category | ウツ病を予防する
富士フィルムヘルスケア未来研究所より
、DHAにはストレスのかかる条件下で精神を安定に導く作用があると考えられています。DHAを日常的に摂っていると、敵意性や暴力性、うつ、不眠といったストレスに基づく諸症状がやわらぐことが、多くの研究で報告されています。そのメカニズムはまだよくわかっていませんが、おそらくDHAが感情のコントロールに関係している神経伝達物質のひとつであるセロトニンや、睡眠に関係するメラトニンの働きをよくするのではないかという説が有力視されています。
天才と分裂病の進化論 単行本 – 2002/7
デイヴィッド ホロビン (著), David Horrobin (原著), 金沢 泰子 (翻訳)
魚をよく食べる人は、自殺願望が格段に低く、抑うつ状態にもなりにくいことが、 フィンランドの研究者らの調査で明らかになった。
フィンランドのクオピオ市にあるクオピオ大精神科のA・タンスカネン医師らが中心となって、 男女の市民約3,000人(25歳~64歳)を無作為に抽出、回答が得られた約1,800人について分析した。
調査は抑うつ度と自殺願望について、1週間に魚を2回以上食べる人と、 それ以下の2つの群に分類、比較した。抑うつの程度は、食欲低下、 睡眠障害などを自己チェックする国際的な評価方式を用いた。その中で、「自分を傷つけたい」 と考えたことがあれば、自殺願望と評価した。
その結果、自殺願望を抱く危険性は"魚嫌い"を100とした場合、"魚好き" は57と約半分。うつ病を発症する危険度も、魚を食べる人は63と低かった。
魚油の主成分であるエイコサペンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)は、 動脈硬化やがんの予防で脚光を浴び、統合失調症の症状改善や、 そううつ病が再発するまでの期間を延ばす精神作用も注目されている。 魚の摂取量と自殺による死亡率の関係は、 26万5,000人を対象にした日本の疫学研究でも指摘されており、今回の研究が裏付けた形だ。
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トップ→ウツ病を予防する→緑の野菜や魚がおすすめ
以下、日本経済新聞(2012.5.9)より
国立精神・神経医療研究センター神経研究所の功刀(くぬぎ)浩・疾病研究第3部長は、うつ病で同センターの病院を訪れる人の食事を詳しく調べている。うつ対策は職場環境などの改善、十分な休息、ストレスを感じないような気の持ちよう、投薬の4つが代表的。5番目に食生活の指導を加えた。「悪化を遅らせたり予防したりする効果は期待できる」という。
たっぷり食べるといいのはビタミンの一種、葉酸を含む食品だ。葉酸は人間が生きていくためにアミノ酸を利用する仕組みと関係し、神経伝達物質の生成にも関与する。たんぱく質や核酸の合成でも重要な役割を果たす。
葉酸はホウレンソウやブロッコリー、アボカドなどの緑色野菜に多く含まれる。煮たりゆでたりすると、かさが減って多くとりやすい。調理で栄養分が多少抜けても気にする必要はない。
エネルギーのもとになる脂分もきちんととる。できれば、青魚の脂などに含まれ神経に栄養を与えて働きを良くする「n―3系多価不飽和脂肪酸」をとりたい。「魚は週に2~3回食べるよう勧めている」と功刀部長。主食は白米よりも玄米の方がビタミンや食物繊維の摂取を増やせる。
福岡大学などと沖縄県の中学生6517人について分析したところ、葉酸を多くとる人ほど、うつ症状が弱い傾向があった。東北大学などと70歳以上の高齢者1058人を調べた調査では、うつ症状の弱い人は1日に飲む緑茶の量が強い人よりも多かった。茶に含まれるアミノ酸の一種で、脳内の神経伝達物質や栄養因子の生成に関係があるとされるテアニンが影響している可能性がある。

食事のパターンとうつ症状との関係もわかってきた。国立国際医療研究センターの南里明子栄養疫学研究室長らは九州の525人を調査。カボチャ、緑の葉野菜、豆腐、緑茶などを多くとる「健康日本食パターン」の食事が多い人ほど、うつ症状の確率が低かった。逆にパン、牛乳、アイスクリームなどを中心とした「洋風朝食パターン」だと確率は高かった。
健康日本食パターンの食品には葉酸などのビタミンが多く含まれ、栄養成分ごとの調査結果とも矛盾しない。n―3系不飽和脂肪酸については結果が一定しないが、海外の研究では摂取が多いとうつ症状が弱いとの報告が複数ある。「うつによいとされるものだけではなく、多くの食品をバランスよくとってほしい」と南里室長は呼びかける。
トップ→ウツ病を予防する→笑いの効用

『薬を10錠飲むよりも、心から笑った方がずっと効果があるはず』
・・・アンネ・フランク
『絶望した人間に笑いを蘇らせることは、その人間を生き返らせることに他ならないのだ』
・・・F・ドラッカー
以下、【笑いの医学的効果】 より
笑いは適度な運動と匹敵する
大笑いは内臓のジョギングとも言われ、適度な運動に匹敵する効果がある。
大笑いでリラックスすると自律神経の働きが安定。適度な運動をした時と同様、血中酸素濃度も増加するため、ストレスを大幅に減少させることができる。
笑いは痛みを軽減する
脳内モルヒネと、以前日本でも話題になったエンドルフィンという強力な鎮痛作用を持つ神経伝達物質が増加し、痛みを忘れてしまう。 (恐らく仮説)
笑いにはリラックス効果がある
脳波では、情緒を司る右脳の活性化が見られ、ストレスで左脳を使う人にとってリラックス効果 があると考えられる。
人間は一度に一つのことしか出来ないから、笑っている時間に不安を抱くことは出来ない。 笑っている間は幸せであるといえる。 それはすべての人に当てはまる。 一日のうちに笑いの時間が多ければ多いほどその人は幸せであろう。 幸せの時間が長ければ、不安、イライラなどの不幸せな時間が必然的に少なくなる。
科学的な証明はまだまだこれからだが、笑いは薬と違って副作用もなく、その効用は大きいと思って間違いないだろう。
”笑う” イコール ”幸せ” ならば、笑わない手はない。
笑うことがうつの予防になると僕は考える。
【参考】 癌をやっつっける 健康な人でも毎日体内でがん細胞が発生している。 しかし、がん細胞をやっつける NK(ナチュラルキラー)細胞があるおかげでほとんどの人は癌にならない。 最近の研究で、このNK細胞は 「笑う」ことによって増える という。 笑い療法にいち早く注目したのが岡山の医師、伊丹仁朗氏である。 九一年、伊丹氏と一緒に、笑いが免疫力にどう作用するのか、大阪の「なんばグランド花月」に男女一九人の患者を集め、三時間笑った後の免疫力の変化を調べ た。開演前後の採血で、リンパ球の一割を占め、がん細胞に直接働きかけるNatural・Killer細胞(NK細胞:天然の殺し屋の意味、写真)の活性 状態を調査したところ、低すぎた人はすべて正常値までアップし、高すぎた人の多くは正常値に近い数値に戻っていた(図)。笑いには、短時間で免疫力を正常 化させる効果 があることが分かる。 その後、がん患者二〇人にNK細胞の日内変動を考えたうえで再実験したが、同様の結果を得て、冒頭の九二年の発表になったのである。【笑いの医学的効 果】 ”NK細胞を活性化する”だが、たった一度の実験では僕は信じられない。 1992年にこれを発表したあと、笑いが癌細胞をやっつけるという話をほとんど聞かない。 だから、コレに対して僕は懐疑的なのだが・・・、今後の展開を見守りたい。 |
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